アルゴリズム化するファンドマネージャーの技術

2019年2月21日


ロボアドバイザー投資が一般人にも可能になりました

ロボアドバイザーとは、資産運用の判断をアルゴリズム化し、人工知能で行うサービスです。

これまでは個人向けの資産運用サービスとしてファンドラップが行われていました。ロボアドバイザー投資では人間によって行われていた運用をアンケートを基に機械が行い、低い手数料と最低投資額を実現しています。

顧客にとって、その最大のメリットはパフォーマンスの向上です。これまでのファンドラップでは年1.5~2%の手数料が発生していました。しかしロボアドバイザーによるサービスでは、年0.5~1%ほどに抑えられています。

これは非常に大きなことで、もし1000万円を運用した場合、全く同じ額の利益を出したとすると10万円ほどの差が出てきます。当然利益は再投資に回りますので、複利の法則が用いられます。差が出た10万円がまた差を大きくすることになります。

これまでに多くのサービスが自動化されてきましたが、証券業の根幹となる部分が人間の手から離れる時代が来たと言えます。さらに、ファンドラップでは数百万円を最低投資額としていましたが、ロボアドバイザー投資は10万円ほどで始められます。資産の無い個人にとっても敷居が低く、急速な普及が予想されます。

歴史が浅いことで未知数の部分が多い

ロボアドバイザー投資は、まだ歴史が浅いサービスです。大手の証券会社や銀行が参入してからは数年も経過していません。そのため、人間を越えるパフォーマンスを出し続けることができるかはまだ誰にもわかりません。

あくまでも相場は市場参加者が作っていくものであることから、どこかにアルゴリズムの穴があり、大規模な損失を出す可能性もあります。

顧客にとっての最大のデメリットは、将来に対する不確実さでしょう。始まったばかりのものにこれまで作ってきた資産の管理を任せることは不安があります。注意点としては、すぐに全財産を投入してはいけないということです。少しずつ運用額を増やすようにしましょう。

もう一つのデメリットは、アルゴリズム取引が証券取引のさらに大きな部分を占めるようになることです。もしこのサービスが急速に普及すれば、コンピュータが判断する金額が大きくなります。これは市場の安定に悪影響を及ぼすでしょう。

1日に日経平均が10%を超えるレベルで変動するのはアルゴリズムによる取引が原因とされています。いわゆる損切りを等しいアルゴリズムで一斉に行うからです。自己責任とは言え、個人の資産がしっかりと守られるのかを見極めたいところです。"