貸し倒れが起こる可能性があるソーシャルレンディングと動向
2019年2月24日
ソーシャルレンディングは貸付を行うことで利益を得る仕組みの投資方法です。個人や事業主に対して貸付を行ったときに、もし事業が失敗すれば返済できない状況になってしまうこともあります。貸し倒れリスクを負わなければならないのはソーシャルレンディングの必然ですが、実際に貸し倒れは起こっているのでしょうか。現状とその対策の動向について把握しておくとリスクの実情がわかります。
貸付である以上は避けられないリスク
貸付を、収益を得るための方法として選ぶ以上は貸し倒れの発生が起こるリスクは避けられません。ソーシャルレンディングでも過去に貸し倒れが起こっている事例があるのは各事業者が発表している実績から明らかであり、かなりの数の貸し倒れを発生させてしまっている事業者もあります。特徴となっているのは、個人に対するローン商品で貸し倒れが起こっていることでしょう。全般的に見ると企業などに対する貸付では貸し倒れはほとんど起こっていないのが実情です。
担保付きの貸付で貸し倒れの防止
ソーシャルレンディングの貸し倒れリスクについての理解が広まった影響や、実際に貸し倒れを起こしたことで失った信用を取り戻す目的などで各事業者が積極的に取り組んできているのが担保付きの貸付です。不動産などを抵当に入れることを条件にして貸付を行うことにより、返済が滞ったり倒産してしまったりしてもある程度の資金を取り戻すことができるようになっています。このような商品を選ぶことによって貸し倒れによる元本割れのリスクは低減させられるでしょう。
貸し倒れのリスクが分散されている
貸付を行う上で貸し倒れのリスクは完全には否定できません。しかしソーシャルレンディングのメリットとして、通常であればファンド型の商品が提供されている点があります。複数の貸付先に対して投資を行うことになるので、一つが倒産して返済不能となったとしても、他の貸付先の状況が良好であればカバーすることができるのです。大きなリスクは負わなくて済むように分散させて貸付が行われているのは貸し倒れによる大損を防ぐことにつながっています。
貸し倒れリスクの現状
日本でソーシャルレンディングが始められたときには貸し倒れがかなりの件数発生したのは確かです。しかし、近年の動向を見ると全く貸し倒れを起こしていないという事業者も多くなってきました。貸付の審査基準を厳しくしたり、対象となる貸付先を個人から事業主のみに限定したりすることによって運用実績を高めるようになっているのです。日本にソーシャルレンディングが登場した頃に比べると貸し倒れによって損をしてしまうリスクは低減してきています。