匿名組合契約が必要になるソーシャルレンディング

2019年6月5日

ソーシャルレンディングで投資

ソーシャルレンディングは投資方法の一つです。投資家からお金を受け取ったソーシャルレンディング事業者が、投資対象となる借り手に対して貸付を行うという仕組みがあります。

投資家としては直接事業者に対して出資する場合に、間に事業者が入ることによるメリットはあるのでしょうか。その際に重要になるのが匿名組合契約の存在であり、この契約が必要なのがソーシャルレンディングの特徴です。

匿名で行える投資活動としてのソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングが投資活動の一つとして盛んに行われるようになってきたのには理由があります。個人の投資家が出資しやすい仕組みになるように配慮され、借り手も希望を出しやすいように工夫が行われてきたからであり、その工夫の一つが匿名で行える仕組みの確立です。

投資家が事業者に存在を知られたくない場合や、借り手が自分の名を知られずに借り入れをしたい場合があります。それを実現する方法としての地位を確立したのがソーシャルレンディングの特徴です。

匿名組合契約とは何か

ソーシャルレンディングの匿名での投資活動が実現されているのは、匿名組合契約が存在していることによります。匿名組合契約とは組合員が事業者の行う事業に対して出資し、その事業から得られた利益を分配してもらうという契約です。

事業者は誰が組合員になって出資しているかという点を事業に際して公開することはできません。このようにして事業と組合員とを互いに情報面で切り離しつつ、組合員として出資すれば利益の分配を得られるという仕組みになっています。

ソーシャルレンディングにおける匿名組合契約

ソーシャルレンディングでは、ソーシャルレンディング事業者と投資家との間で匿名組合契約を結ぶことで、投資家が組合員となって出資を行うという形を取ります。そして事業者は事業に対して出資されたお金を使用して借り手を探して貸付を行い、利子などにより利益を上げるのです。

そして、その利益に基づいて投資家は分配金を得ることができます。このような仕組みで運営されているのがソーシャルレンディングであり、投資家と借り手との間の匿名性が確立されているのです。

匿名組合契約をするメリット

匿名組合契約をすることで、互いの存在を知られることがないため、投資家と借り手との間に利害関係を生まずに済むのがメリットになります。加えて、あくまで投資家は事業者が行っている事業に対して出資するという形を取るので、貸金業者として登録する必要がありません。

また、事業の一部の資金になれば良いので少額での投資を行えることが多いのも特徴になります。一方、事業が失敗しても出資額以上の損失を負う必要もなく、大きなリスクを抱えずに済む投資になるのもメリットです。